肺高血圧症の新しい病態メカニズムを発見
循環器内科、長寿・地域疫学講座 教授の池田宏二先生の研究結果が発表されました。
今回、肺の微小血管の内層を覆う血管内皮細胞がインヒビンβ-A(INHBA)という物質を合成しており、このINHBAが過剰に合成されると自らに作用して血管内皮細胞の機能が障害され、肺高血圧症が発症・進展することを発見しました。さらに、肺高血圧症患者さんの肺から単離してきた血管内皮細胞では実際にINHBAが過剰に合成されていることを見出し、また血管内皮細胞においてINHBAを過剰発現させた遺伝子改変マウスでは肺高血圧が増悪する一方、血管内皮細胞特異的にINHBAを欠損させた遺伝子改変マウスでは肺高血圧を発症しにくくなることを明らかとしました。この論文がNature Communicationsの3月19日号電子版に掲載されましたので、報告いたします。